台本の作り方と構成のコツ

 世界中にいろいろな内容の動画がえてきており、今まで動画を作ったことがなくても動画作成を始める人が増えています。動画の出演者しゅつえんしゃが話すところを撮影さつえいしたり、った動画を編集へんしゅうしたりするときに必要となるのが「台本」です。今回は、その台本を作るメリットや作り方、構成こうせいのコツをご紹介しょうかいします。すぐに使える台本のひな形もご紹介しますので、ぜひ活用してみてください。

台本を作るメリットとは?

 動画作成において台本を作るメリットは、主に3つあります。

1.動画を見る人に向けて、わかりやすく話すことができる

 台本を作ると、動画を見る人にわかりやすく伝えることができます。台本を作ることで、動画撮影の前に、話したい内容を整理することができます。そのため、カメラや人前で話すのにれていない人でも、落ち着いて撮影することができるでしょう。何回も練習すれば、だんだんと慣れていきますので、最初は棒読ぼうよみになっても大丈夫です。

2.編集作業が順調に進む

 台本通りに動画を撮影すると、編集作業を順調に進めることができます。台本から言葉をコピーして字幕じまくをつけるなど、編集の作業工程こうていらすこともできるのがメリットです。また、台本があると撮影中に言葉にまることが少ないので、編集で不要な場面を切り取る作業も楽になります。何人かで動画作成をするときには、台本がなくてはなりません。

3.正確せいかく情報じょうほうを発信できる

 動画を作成する上で、情報の正確さは大切です。まちがった情報を発信してしまうと、見る人からの信頼しんらいを失ってしまいます。そうなると、他の動画も見てもらえなくなってしまうかもしれません。いきなり撮影するのではなく、台本を作るようにすれば、その中で情報が正確かどうか調べることができます。また、台本があれば、撮影の場にいない人にも内容を確認かくにんしてもらうことができます。撮影の場にいない人にも台本を確認してもらって、気になる点があれば書き直すようにしましょう。

台本の作り方

 台本を作るメリットがわかったところで、実際じっさいにどうやって作ればよいか見ていきましょう。

1.動画の目的・対象者を決める

 まず、なぜこの動画を作るのか、動画の中でどういうことを伝えたいか、どんな人に見てもらいたいかを決めます。ここがあやふやになってしまうと、動画を見てもらえなかったり、見る人に伝わらなかったりしてしまいします。作りたい動画を完成させることができるように、文章として残しておきましょう。また、どんな人に見てもらいたいかという対象者については、細かく設定せっていしておくと、見てもらいたい人に伝わるような動画を作ることができます。

2.構成を考える

 次に、動画の大まかな流れである構成を考えます。台本における構成は、「動画の骨組ほねぐみ」のようなものです。構成がないと、話が行ったり来たりして、何を話しているのかわからなくなってしまいます。ぎゃくに、構成を考えておけば、全体の流れを理解しながら、撮影当日も詰まらずに話すことができるでしょう。構成の仕方については、あとでご紹介します。

3.構成に沿って台本を作る

 構成を考えたら、その構成に沿って、出演者のセリフや映像えいぞう・音声に関する編集の指示を書いていきます。台本は初めから完ぺきに書くのではなく、ある程度ていど自由にできるように書いておくとよいでしょう。その台本をもとに、直す部分がないか確認するため、出演者に音読してもらいます。音読をしながら、出演者が自然に話せるように、接続詞せつぞくしを増やしたり話し言葉に直したりしていきます。また、台本が完成したら、音読しながら時間を計りましょう。音読して時間を計ることで、完成する動画の時間の目安がわかります。

台本の構成のコツ

 では、台本を作る上での構成のコツを解説かいせつしていきます。

1.はじまりは短くわかりやすく!

 動画のはじまりでは、動画の内容を短くわかりやすく伝えることが大切です。はじまりの部分が長く、見る人が興味きょうみのない内容が続くと、本題に入るまでに見るのをやめる人が増えてしまいます。また、動画を見る人は、最初の15秒で「自分が見たい動画かどうか」を決めると言われています。そのため、はじまりの部分で伝えたい内容やテーマについて、短い言葉でまとめる力が必要です。目安として、はじまりの部分を1分以内にすることを目指しましょう。

2.文章の「かた」を使おう!

 文章の「型」を使うと、骨組みのしっかりした台本を作ることができます。ここでは、おすすめの型をいくつか紹介します。

要点を伝える方法

 この方法は、「要点・詳細しょうさい・要点」という流れで文章の構成を組み立てます。要点というのは、その話の大事なことをまとめたものです。最初に大事なことを短く伝え、その後にくわしく説明して、最後にもう一度大事なことをくり返します。話の中で大事なことを短く伝えられるのがメリットで、時間のない人に向けた動画に向いています。まとまっていて見る人の記憶きおくに残りやすいので、短い時間で見る人を引きつけるような動画を作りたいときにおすすめです。

要点を伝える方法を使った文章例

(要点)
 今回は「記憶の忘却ぼうきゃく曲線」について解説をします。
(詳細)
 「記憶の忘却曲線」とは、人間は記憶した内容をだんだんとわすれていくという実験結果を、グラフにして表した曲線のことです。実験結果によると、人は20分後であれば58%を覚えていますが、1時間後は44%しか覚えておらず、・・・・
(要点)
 今回は、暗記の勉強を効率こうりつよく行うために役立つ「記憶の忘却曲線」をご紹介しました。ぜひ活用してみてください。

具体例を伝える方法

 この方法は、「要点・理由・具体例・要点」という流れで文章の構成を組み立てます。まず大事なことを短く伝え、なぜそれが大事か説明した後に具体例を出し、最後にもう一度大事なことをくり返します。要点だけでなく、説明や具体例を入れるので、解説など物事をわかりやすく伝えることに向いています。また、具体例を入れることで、見る人が情報を信頼しやすくなるので、より説得力せっとくりょくのある動画を作ることができます。

具体例を伝える方法を使った文章例

(要点)
 子どもの教育で大切なのは、短所を直すことではなく、長所をのばすことです。
(理由)
 なぜなら、子どもの成長において自己肯定感こうていかんは欠かせない要素だからです。
(具体例)
 例えば、短所ばかり注意していると、子どもは「自分は価値かちがない存在そんざいだ」と思い始めます。逆に長所をほめてのばしてあげると、自己肯定感が上がり、どんなことにも挑戦ちょうせんできる人間に育っていくでしょう。
(要点)
 だからこそ、子どもの短所を直すのではなく、長所をのばすことに注目してみてください。

3.おわりの部分で次の流れへつなげよう!

 動画の内容をまとめてしめくくったあと、5~20秒ほど流れるおわりの部分を設定しましょう。動画のおわりは、動画を最後まで見てくれた人に働きかけるための大切な部分です。「チャンネル登録」や「おすすめ動画」につながるようにすることもでき、さらに動画を見てもらえるようになります。

台本のひな形の例

 どういう動画を作るか決まってきたら、型にはめてみて台本作りを効率よく行いましょう。台本のひな形の例を参考にして、自由に作り直してみてください。

はじまり
はじまりの動画を入れる

あいさつ
こんにちは!〇〇です!

導入どうにゅう(1分以内)
この動画では〇〇について解説します。
・〇〇
・〇〇
・〇〇
こんなおなやみはありませんか?
そこで今回は、〇〇の専門家せんもんかである〇〇が、〇〇について解説していきます。
〈編集〉かじょう書きの字幕を入れる

本題(10分程度で解説)
要点
〇〇
詳細
〇〇
要点
〇〇
〈編集〉1つのテーマにつき2分程度にする

まとめ
いかがでしたか?
最後に、今回の動画のポイントをおさらいします。
①〇〇
②〇〇
③〇〇
④〇〇
⑤〇〇
以上の点をおさえて、〇〇してみてくださいね。
最後まで動画をご視聴しちょういただきありがとうございました!
この動画が役に立ったと思ったら、チャンネル登録と高評価こうひょうかをよろしくお願いいたします。
それでは、次の動画でお待ちしていますね。

おわり
おわりの動画を入れる

まとめ

 動画を作るときに台本を作れば、撮影だけでなく編集作業も順調に進みます。また、動画として重要である、正確な情報を伝えることにも役立ちます。ぜひこの記事で紹介したことを参考にして、台本を作ってみてください。

Copied title and URL