PETボトルを再びPETボトルにする新技術

サントリーは2011年に日本初のペットボトルの「ボトル to ボトル(B to B)」のリサイクルシステムを協栄産業(株)と開発しました。今回、さらにその技術を進化させ、リサイクルPETを原料として100%使用し、これまで必要だった手間を大幅に減らした新しい技術「F to Pダイレクトリサイクル技術」を開発しました。

これまでの方法では、回収ペットボトルを粉砕・洗浄してできた粉状のものを約300℃という高温で溶かして、それを結晶化し、乾燥、さらに、再び高温で溶かしてペットボトルの元を形作るという手順が必要でした。そのためには多くの電力が必要でした。今回開発した新しい技術では、これまで2つの工場に分かれて進めていた手続きを大幅に減らすことに成功しました。その結果、CO2排出量を25%減らすことができる見込みです。

日本は世界有数のペットボトルリサイクルの先進国であり、約90%の回収率を誇りますが、これまではその多くが海外へ輸出され、ポリエステル繊維として再利用されていました。しかし、リサイクルPETをポリエステルにしてしまうと、ペットボトルに戻すことはできずリサイクルの輪はそこで止まってしまいます。そのため、リサイクルPETの海外流出を防ぐことは国内飲料業界の大きな課題でもありました。

その点、今回開発した方法でリサイクルすれば、リサイクルPETはほとんど同じ品質を保ったまま、ほぼ半永久的に資源として利用が可能なため、リサイクルの輪を止めることなく、再生し続けることができます。環境的にもコスト的にも、これまでの作り方よりも優れた「F to Pダイレクトリサイクル技術」のような新技術を広めていくことで、国内でのリサイクルPETの割合を増やし、社会全体で環境を改善することにつなげることが期待できます。

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