筆者が一番伝えたいことを見つけるには(3)

3-4Graders

 みなさんは、ふだん文章を読むときに、どんなことに気を付けて読んでいますか?何も考えずに、ただ読んでいるだけでしょうか。どんなことに工夫して文章を読めば、筆者(文章を書いた人)のつたえたいことを読み取ることができるか、考えていきましょう。

問いとその答えに注目する

 下の文章を読んでみましょう。

3人われば、お店の風景ふうけいわる
 
 地球には、地球温暖化おんだんかや海洋汚染おせんなどたくさんの問題がありますが、わたしたちはとても大きな問題だと感じてしまいます。1人1人が行動することに、たして本当に意味があるのでしょうか?

 何か問題を解決かいけつしようとするときには、まずは小さい集団しゅうだんで考えることが必要ひつようです。自分1人の少しの力でも、どの集団しゅうだんならえられるか、考えてみましょう。はじめは友だちや家族など自分のすぐ近くの人たちからでいいのです。

 自分がえられると思う集団しゅうだんを決めたら、まずはその集団しゅうだんの5%の人がわることを目指します。その集団しゅうだんの5%の人がわれば、他の人たちが注目してきて、10%、30%、50%...とどんどん広まっていきます。まずは0%から5%というのが大切なのです。

 ことわざに、「三人、市虎しこす」というものがあります。市虎しこというのは、まち(市)に出たとらのことです。1人に「まちとらが出た」と言われてもしんじないけれど、3人に言われるとしんじてしまいませんか?このように、本当のことではなくても、3人が言えばみんなしんじてしまうという意味のことわざが「三人、市虎しこす」です。

 本屋でアルバイトをしていた記者さんの話によると、店長に「3人から『この本ありますか?』と聞かれたら、すぐにその本を注文して、表紙を見せてくようにしろ」と言われていたそうです。つまり、本屋に自分の読みたい本がかれていなかったら、だれかにおねがいして、3人が「この本ありますか?」と聞けばよいのです。そうすれば、本屋に新しい本がならび、そこで本屋の風景ふうけいわります。小さく見える行動だけど、それによってぐっとわるのです。

 わたしたちにも、社会をえていくことはできます。だから、そこにかかわる人たちの行動が大事なのです。お客さんがわればお店がわります。まさに「たった少しの力だけど、まったく力がないわけじゃない」のです。

 最初さいしょ段落だんらくに「1人1人が行動することに、たして本当に意味があるのでしょうか?」とありますね。この問いに対する答えが、この後に出てきそうです。このような問いが出てきたら、その問いを頭に入れたまま読み進めていくと、どこがその問いの答えになるか見つけやすくなります。この文章では、「たった少しの力だけど、まったく力がないわけではないから、自分1人でも行動して社会をえていこう」ということが筆者のつたえたいことでしょう。本文中ではなく、タイトルに問いが書いてあることもあるので、文章を読むときには問いがないか探してみましょう。

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