何を調べるか決めたら、自分が知りたいことを調べるために、実験や観察をします。実験や観察を1回やってみるだけで、正しい結果が出てくるのでしょうか?たまたま出てきた結果では、正しくないかもしれませんね。では、どうすれば正しい結果になるのでしょうか?
ふりこの実験で考えてみましょう。おもりの重さを10g、ふりこの長さを50cmとして、ふれはばを10°、20°、30°と変えて実験をします。
ふりこが10往復する(行って帰ってくる)時間を調べて、1往復する時間を考えてみましょう。結果を表にまとめると、このようになります。
ふれはば | 10往復する時間(秒) | 1往復する時間(秒) |
10° | 14.1 | 1.4 |
20° | 14.1 | 1.4 |
30° | 14.1 | 1.4 |
自分の目で見たり、自分で時間を計ったりするので、1回だけではどうしても正しくない結果が出てしまうかもしれませんね。
では、この実験を3回くり返せばどうでしょうか?
ふれはば | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 1往復する時間(秒) |
10° | 14.1 | 14.1 | 14.1 | 1.4 |
20° | 14.1 | 14.1 | 14.1 | 1.4 |
30° | 14.1 | 14.1 | 14.1 | 1.4 |
3回くり返して、すべて同じ結果になれば、その結果は正しいとわかりますね。
このようにすべて同じ結果になればいいのですが、そうはいかないことが多いです。そのときに使うのが、平均です。平均というのは、いくつかの数量を同じ大きさになるようにならしたものです。それぞれの合計を、データの個数で割ると平均がわかります。では、どのようにすればいいのか考えていきます。
ふれはば | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
10° | 14.1 | 14.2 | 14.1 |
20° | 14.0 | 14.2 | 14.0 |
30° | 14.1 | 14.0 | 14.2 |
上の結果の表から、10往復する時間の平均を出してみましょう。
10°の場合を考えると、3回のデータは14.1秒、14.2秒、14.1秒となっているので、それらを全部足して、合計を出します。
14.1+14.2+14.1=42.4
今回は3回分の実験なので、その合計を3で割ります。
42.4÷3=14.1・・・
こうして出てくるのが平均です。
同じように、20°、30°の場合も考えて、表をうめていきましょう。今回は、1往復する時間を知りたいので、1往復する時間の平均も表にかきます。
ふれはば | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 10往復する時間(秒) | 1往復する時間(秒) |
10° | 14.1 | 14.2 | 14.1 | 14.1 | 1.4 |
20° | 14.0 | 14.2 | 14.0 | 14.1 | 1.4 |
30° | 14.1 | 14.0 | 14.2 | 14.1 | 1.4 |
これで表が完成しました。
このように、何回かくり返して実験や観察をしたり、平均を出したりすることで、正しい結果が出せるようになります。たった1回で実験や観察を終わらせるのではなく、本当に正しい結果なのかどうかを考えて、工夫することが大切です。