有機農法での米作りについて最新情報を、実際の取材をもとにお伝えします。
愛媛大学では「安心米」を平成18年から売り出しています。
愛媛大学には、お米の専門家だけでなく、土の養分、田んぼの生き物、水を安定して運ぶ技術など、いろいろな分野の専門家の先生がいるので、みんなで協力して研究を行って、「安心米」を作る方法を生み出しました。
有機農法でお米を育てるときのポイントを教えて!博士。
①土づくり ②田植え ③除草(草取り)の3つじゃ。
土づくりについて
化学肥料を使わない代わりに、マメ科の植物であるクローバーの種を植えて、育ったクローバーはそのまま緑肥として土に混ぜ込んでいるんだよ。
お米の収穫前や後に、マメ科の植物の種を植えて、次の年の春まで育て、植物の力を利用して養分を蓄える。その養分を使ってお米を育てています。
田んぼに住む生き物や植物を利用して、雑草を減らしたり、お米が病気にならないようにしたりしています。
お米を育てるには、お米の育ち具合を定期的に調べるだけでなく、土の養分を調べることも大切です。
土の中にはちっ素やリンという養分が含まれていて、土の中の養分の量やお米の稲穂にどれくらい養分が吸収されているか調べます。
芽が出た時にちっ素が少ないときは、油かすをまきます。土に混ぜるとカビが生えるので、あとからまくようにします。
化学肥料を使えないので、田んぼに緑肥をまいています。
田植えについて
田植えではどんなことが必要なんだろう。
薬を使わない代わりの方法を生み出すのが大変なんじゃ。
コシヒカリの田植えは5月20日くらいです。そのあと、ヒノヒカリ、松山三井を植えています。「安心米」は松山三井という品種です。
育苗箱で苗を育ててから田植えを行っていく。油粕の与え方を工夫したり、もみの温騰消毒の作業を見直したりすることで、生育のよくない苗の原因を見つけて、経験をふまえた新たな工夫や改善を行っていくことが大切です。
ジャンボタニシは薬が使えないのでつぶして駆除します。水の量を管理して被害がでないようにします。主に水の調整と手作業で除去することになっています。
ジャンボタニシは、稲が大好物。こまめに取り除かないと、せっかく植えた苗をぜんぶ食べられてしまうこともあるんだよ。
除草(草取り)について
薬が使えないとなると、草取りも手作業なのかな。
手作業のほかにも、機械や道具をうまく使っているのじゃ。
無農薬なので、カメムシなどが来ないように、雑草を刈っています。植えたら、10日に1回、これを3回くりかえします。
除草機や手で雑草を抜きます。雑草除去用の田植え機に取り付ける専用の道具(アタッチメント)があります。田んぼの両端で転回(まわって方向を変えること)するところは、取り付けた道具(アタッチメント)を持ち上げて、苗に当たらないようにする高度な技術が必要です。
農薬を使わない代わりに、時間と手間と技術をかけて、草引きをしているよ。
最近ではアイガモ農法をロボットで行う方法があります。
8月の終わりに、ネットを手作業でかけます。5人くらいで行います。