ペットボトルドーム作成に向けた準備

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 ペットボトルでドームを作るときに必要なパーツは大きく分けて、接続部分との軸部分の2つになります。このページでは軸になる部分をどう作ったか説明します。作成過程は、ペットボトルの選定・回収・洗浄、切断、接着という3つの手続きからなります。

1.ペットボトルの選定・回収・洗浄

 まずはごみ捨て場をまわり、ペットボトルを回収します。大学内のごみ捨て場にも、「キャップとラベルは外して分別」と書かれてはいますが、きちんと分別されずに捨てられているものがたくさんあります。

 なお、回収すべきペットボトルは選ぶ必要があります。ドームを作るためにはある程度の強度が必要なので、柔らかくつぶれやすいペットボトルは使えません。また、一部キャップの形状が異なるものや、300mlや2Lなど小さすぎたり大きすぎたりするものもあるので、それらも除外します。

 回収したのち、きちんとキャップとラベルを外します。キャップとペットボトルはドーム作成に使うため、きれいに洗浄し、乾かします。

 

2.ペットボトルの切断

 ドームの軸になる部分を作るためには、2つのペットボトルを接続する必要があります。回収したペットボトルには様々な形や大きさがあるため、似た大きさや形のペットボトルのペアを選びます。

 ドームを作成するときには、2つのペットボトルを接続したものの長さをそろえる必要があります。今回は、2つを接続したときに30cmとして、3~5cmほど重なる部分をもたせました。長さを決めたら、ペンで印をつけてペットボトルを切断します。形がうまく合えば、片方のペットボトルの底部を切るだけでいいですが、溝などがあって重ならない場合は、両方の底部を切ります。下の写真のように下敷きに30cmの線分を書いておくことで、いちいち測らなくていいようにしました。

 ペットボトルの硬さがそれぞれ異なり、カッターではコントロールが難しいので、カッターで3分の1ほど切ってから、はさみを使って切りました。また、ペットボトルの太さに差がないペアだと、そのまま重ねることができないので、はさみで切り口から縦に切れ込みを入れて重ねます。

3.ペットボトルの接続

 2つのペットボトルを接続するためにはいくつか方法があります。今回は以下の3つの方法で接続しました。これらのうち、どれを選ぶかはボトルの強度や耐熱温度、形状、かけられる時間や手間によって変わってきます。

①物理的にはめ込む

 溝があるペットボトルがあると前述しましたが、もう片方のペットボトルをその溝に底が当たるようにはめ込むことで、固定することができます。底の部分は、胴体の部分に比べて少し小さくなっていることが多いので、同じペットボトルを使うことできっちりはまります。この方法の良いところは、他の2つの方法に比べて安全であることです。

 ただし、この方法はちょうどいい形をした2つのペットボトルが手に入ったときにだけ使えます。

②お湯で収縮させる

 ペットボトルには、熱を加えることで収縮するという性質があります。その性質を利用し、長さを調節して重ねた2つのペットボトルにお湯をかけることで、2つのペットボトルを接続することができます。おそらく強度も今回ご紹介する3つの方法では一番高いと思われます。

 しかし、温かい飲料などが入っている耐熱性のペットボトルは収縮しにくいので、この方法は非耐熱性のペットボトルが外側にくるときにしか使えません。また、熱いお湯を使うので、子ども向きではありません。特に熱湯を使うときには、軍手にもしかかってしまうとよりやけどがひどくなりますので、素手がおすすめです。写真では流水しながらお湯を使うことで、ボウルが割れるのを防いでいます。

③ハンダゴテで溶かす

 ほとんどの場合で使えるのが、ハンダゴテを使う方法です。2つのペットボトルが重なっている部分に、ハンダゴテで穴をあけます。ペットボトルは高温で溶けるという性質があるので、ハンダゴテで溶かして2つのペットボトルを接続しています。ペットボトルの太さに差がなく、はさみで縦に切れ込みを入れたものについても、2つのペットボトルが重なっている部分にハンダゴテで穴をあけることで、接続することができます。

 この方法は便利な反面、熱で溶けたプラスチックで有害なガスが出やすいということと、ハンダゴテの管理を間違えると火事につながること、そしてもちろん手に当たるとやけどしますし、服に当たると穴があきます。また、強度もそれほど強くありませんので、力が強くかかるところに利用することはおすすめしません。

まとめ

 このページでは、ペットボトルのドームを作るときにその軸パーツをどう作っていくか、実際の取組みに基づいて解説しました。ペットボトルと一言に言っても、その性質や形状には幅広さがあり、それらをうまく活かして目的に応じた加工が大事だと言えます。

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