参考:https://kotobukien.biz/site/document/use_ripened_chicken_droppings.pdf
化石燃料や鉱物資源を化学的に合成して作られる化学肥料とはちがい、有機肥料は生物由来の資源を原料にして作られています。有機肥料は、どんな種類があって、どうやって作っているのでしょうか。
1.油かす
油かすは、菜種や大豆から油をしぼりとって作ります。油をしぼりとったあとに出てくるかすが油かすで、窒素をよくふくんでいるという特徴があります。油かすは土の中の微生物により分解され、ゆっくりと効果が現れます。ブタなどの骨を粉末にした骨粉などを合わせた油かすも肥料に使われます。
油かすを10倍の量の水に混ぜて1か月ほど発酵させることで、油かす液肥という肥料にすることもできます。粉末の油かすを液状にし発酵させることで、植物が吸収しやすくなります。
発酵:微生物のはたらきによって物質が分解されること。
2.発酵鶏糞
発酵鶏糞は、ニワトリのふん(これを鶏糞といいます)を発酵させて作ります。リン酸がよくふくまれています。化学肥料と同じくらい効果が現れるのが早いので、使う量に気を付けなければなりません。
はいせつされたばかりの鶏糞には、人や作物にとって害のある物質がたくさんふくまれているため、発酵させて分解させることが必要です。まずは、はいせつされた直後の鶏糞をかき混ぜて、発酵しやすいように空気をたくさん入れます。さらに熱を加えることで、害のある成分や病原菌をなくします。また、枝の切りくずを鶏糞と同じ量混ぜて、発酵しにくい大きなかたまりになるのを防ぎます。混ぜたものはしばらく置いておきますが、ガスが発生して中にこもってしまうので、ときどきかき混ぜるようにします。枝の切りくずを入れてかき混ぜることで、地力を高めながら、効き目を少しゆっくりにした肥料ができあがります。
魚粉
魚粉は、魚を水といっしょに煮て、機械で圧力をかけて水分と脂をしぼり、乾燥させ粉々にして作ります。窒素とリン酸をたくさんふくむのが特徴で、果菜類や葉菜類の味をよくするとも言われています。有機肥料の中では効果が早く現れます。
いろいろなものを混ぜた肥料も
油かすや鶏糞、魚粉、野菜くずなど、数種類の有機物を混ぜて発酵して作る「ぼかし肥料」というものもあります。どの成分を多くふくむかが肥料によってちがうので、使い道に合わせてバランスよく肥料をまくことが大切なのです。