日本のリサイクル率とプラスチックごみ処理の現状と課題（3年生向け）

　私わたしたちがごみとして出したプラスチックは、集あつめられたあと、どれくらいが、どのように処理しょりされているのでしょうか。今回は、ごみ処理しょりの種類しゅるい分けがどうなっているのか、また、日本で主おもにされている「熱回収ねつかいしゅう」という方法ほうほうがベストかどうか、問題もんだいになっていることについて解説かいせつします。

１．日本におけるプラスチックごみ処理しょり

　日本で出されているプラごみの量りょうは、アメリカ、中国に続つづいて世界せかいで3番目ですが、日本での処理しょり体制はある程度ていど整ととのっているため、日本の陸地りくちから海へ流ながれていると考えられるプラスチック量りょうは、世界せかいで30位いです。しかし、それでも1年間に3万6千トンものプラスチックが日本の陸地りくちから海に流ながれていると考えられていることには、注意ちゅういが必要ひつようです。

　次つぎに、処理しょりについて詳くわしく見ていきます。日本で2018年に出された891万トンのプラごみのうち、56％となる503万トンが熱回収処理ねつかいしゅうしょり※、28％の247万トンがリサイクルされています。

※熱回収処理ねつかいしゅうしょり：プラごみを燃もやすことで生まれる熱ねつエネルギーを、他ほかのところでまた使つかう方法ほうほうのこと。

２．熱回収ねつかいしゅうは地球温暖化おんだんかを進すすめる

　日本では熱回収ねつかいしゅうが主おもであり、ただ燃もやすものとあわせて、プラごみの64％が燃もやすことで処理しょりをされています。熱回収ねつかいしゅうは、プラごみを燃もやすときに生まれる熱ねつエネルギーの一部いちぶを活用できるという良よい点があります。しかし、燃もやすことで、プラスチックは資源しげんとしてくり返かえし使つかうことができず、新しくたくさんものを作ることにつながります。プラスチックは、作られるときと燃もやされるときに、温室効果おんしつこうかガスである二酸化炭素にさんかたんそを生み出し、地球温暖化ちきゅうおんだんかを進すすめることになります。そのため、熱回収ねつかいしゅうは、リデュ―ス、リユース、リサイクルで対応たいおうできないときに考えるべき方法ほうほうです。

　日本で出るプラごみは、量りょうが多すぎて処理しょりできなくなっています。そして地球温暖化ちきゅうおんだんかへの対応たいおうを考えると、たくさん作ることと燃もやすことで二酸化炭素にさんかたんそを出す熱回収処理施設ねつかいしゅうしょりしせつを、使つかい続つづけたり増ふやしたりしていくべきではありません。そこで、国内でのリサイクル体制たいせいを大きくしていく必要ひつようがありますが、世界せかいで3番目に多いプラごみの量りょうを減へらさずに、今は20%もない国内でのリサイクル率りつを100％にすることはできません。まずはリデュースとリユースでプラごみが出る量りょうを少なくして、きちんとリサイクルをしていくことが必要ひつようです。