分解されて消えるプラスチック(3年生向け)

 海や川のきしを歩いていると、赤、青、みどりなどの色とりどりの小さなかけらが目に入ります。これは、すなざっている小さくなったプラスチックです。また、すなまってもろくなったレジぶくろは、やぶれてすなの中に残ってしまいます。すなからプラスチックごみだけを分けてあつめることは、むずかしくなっているのです。

プラごみ問題の救世主⁉・・・「生分解性せいぶんかいせいプラスチック」とは

 そんなとき、ほうっておいてもやがて分解ぶんかいされてえる「生分解性せいぶんかいせいプラスチック」というプラスチックが登場とうじょうしました。救世主きゅうせいしゅのようなプラスチックに、国もその研究けんきゅう開発かいはつをすすめていく考えです。では、このプラスチックはどのように分解ぶんかいされていくのでしょう?

 生分解性せいぶんかいせいプラスチックは、使つかったあとに小さな生物によってこまかく分解ぶんかいされ、最後さいごには水と二酸化炭素にさんかたんそになります。わたしたちがいつも使うプラスチックは、分解ぶんかいしてくれる小さな生物がいないので、土や水の中のような自然界しぜんかいほうっておくと、ずっとごみとしてのこってしまいます。生分解性せいぶんかいせいプラスチックは、ごみになってもえてくれるので、使い方によってはたしかにプラごみ問題もんだい効果こうかがあると言えます。

海で分解ぶんかいする生分解性せいぶんかいせいプラスチックを海中で撮影さつえいした写真しゃしん
表面ひょうめんには微生物びせいぶつがたくさんついています。

 ただし、生分解性せいぶんかいせいプラスチックは、どこでも分解ぶんかいが進むわけではありません。分解ぶんかいをしているのは小さな生物です。小さな生物は生き物なので、自分の活動かつどうに合う環境かんきょうえらびます。そのプラスチックがごみになったとき、どういう環境かんきょう分解ぶんかいさせることになるのか考えなければ、生分解性せいぶんかいせいプラスチックを有効ゆうこう使つかうことはできません。

 海をはじめとするプラスチックごみの問題は、プラごみだけが問題もんだいではありません。生分解性せいぶんかいせいプラスチックは、プラごみ問題もんだい有効ゆうこう解決策かいけつさくとなるかもしれない、のぞみのある素材そざいです。これに期待きたいしすぎず、いこととわるいこと、できることとできないことなどを考えながら、社会全体ぜんたいでプラごみをらしていきましょう。

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