プラスチックの種類とリサイクルの課題

プラスチックの種類

 身のまわりには、プラスチックを使った製品せいひんがたくさんありますが、プラスチックにもいろいろな種類があることを知っていますか?代表的ものとしては、PET、PE、PP、PSというものがあります。

  PET:ポリエチレンテレフタレート(容器ようき、ペットボトル、フリースなど)

  PE:ポリエチレン(容器ようき、パイプ、フィルムなど)

  PP:ポリプロピレン(容器ようき、おもちゃ、靴下くつしたなど)

  PS:ポリスチレン(容器ようき発泡はっぽうスチロール、CDケースなど)

識別マーク、役割やくわり名と材質ざいしつ記号

 プラスチックごみを分別するときに、このように「プラ」という識別しきマークと一緒いっしょに書いてあるのを見たことがあるかもしれません。

はいプラスチックのリサイクル

 はいプラの処理しょり方法としては、マテリアルリサイクル23%、ケミカルリサイクル4%、サーマルリサイクル57% で、この3つを合わせると84%と高いリサイクルりつになっています。このように、サーマルリサイクルの比率ひりつが高いのが日本の特徴とくちょうです。埋立うめたては7%と欧米おうべいに比べて少なく、はいプラが確実かくじつ処理しょりされているものとみられていて、国際こくさい社会において日本がほこれる点です。

日本におけるはいプラスチックのリサイクルの課題とは?

日本のはいプラスチックの処理処分しょりしょぶんのマテリアルフロー(2016年)

 しかし課題は、上の図にしめすように、2013年のマテリアルリサイクル203万トンのうちの168万トンは海外への輸出ゆしゅつ(中国など海外でリサイクルしているとの前提ぜんてい)であり、国内の マテリアルリサイクルは34万トンととても少ないことです。そのうちのほとんどが回収かいしゅうされたPETボトルのリサイクルです。

 2003年に循環型じゅんかんがた社会の形成を推進すいしんする基本きほん計画(第1次)が出され、この年は循環型じゅんかんがた社会の元年がんねんといわれています。また、2018年6月には第4次のこの基本きほん計画が閣議かくぎで決定されていて、この間にPETボトルのマテリアルリサイクル体制たいせいは整いました。しかし、残念ながらそれ以外のプラスチックのマテリアルリサイクルは十分ではありません。

マテリアルリサイクル

日本のプラスチック別の廃棄物はいきぶつ量、マテリアルリサイクル量、リサイクル比率ひりつ

 この表は、プラスチック別の廃棄物はいきぶつ量とマテリアルリサイクル量の別々のデータを組み合わせて、それぞれのプラスチックのリサイクル比率ひりつを求めたものです。PETボトルは高いリサイクルりつ(78%)ですが、PE・PP・PSのリサイクルりつは11~20%と低くなっています。リサイクルりつが全体に低い米国においても、PETのリサイクル率は約20%と高くなっています。

おわりに

 PET ボトルのリサイクルについては、高い技術ぎじゅつによって日本が欧米おうべいより進んでいますが、PETボトル以外のプラスチックのリサイクルりつが低いことがわかりました。日本はこの PET ボトルのリサイクルりつをお手本に、プラスチック全体のマテリアルリサイクルの実現じつげん挑戦ちょうせんすべきなのかもしれません。

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