製品や商品が消費者の手元に届くまでには、原材料の生産者からはじまる一連の流れが必要です。消費者への安定的な製品や商品の供給と物流を手助けするしくみが、「サプライチェーン」です。この記事では、サプライチェーンの意味や具体例について解説します。
サプライチェーンとは
サプライチェーンとは、製品や商品が生産者から消費者に届くまでの一連の流れのことをいいます。サプライは「供給」、チェーンは「連鎖」という意味があり、消費者に届くまでくり返され、つながっているさまざまな取引が鎖に見えることから、サプライチェーンと名づけられました。英語をそのまま訳した日本語の「供給連鎖」とも呼ばれています。
また、おもに仕入れや調達に関する部門のことを「サプライヤー」といいます。
サプライチェーンの具体例
ここでは、サプライチェーンの具体例を身近な3つの商品で紹介します。
例1:スマートフォンのサプライチェーン
部品の調達(液晶パネル、半導体、フレーム樹脂などを仕入れる)
→製造(工場で部品や本体を組み立てる)
→配送(完成したスマートフォンを工場から販売店へ出荷する)
→販売(スマートフォン販売店やウェブサイトで売る)
→購入(消費者がスマートフォンを買う)
例2:コンビニのおにぎりのサプライチェーン
原材料の調達(生産者から米、具材などを仕入れる)
→製造(工場でおにぎりを作る)
→配送(コンビニエンスストアへ完成したおにぎりを出荷する)
→販売(小売店であるコンビニエンスストアで売る)
→購入(消費者がコンビニエンスストアでおにぎりを買う)
例:アパレルショップの洋服のサプライチェーン
洋服のデザインが完成
→原材料の調達(繊維、合皮、ボタンやファスナーなどのパーツを仕入れる)
→製造(工場でデザインに合わせて洋服を制作する)
→配送(アパレルショップなどの小売店や、ウェブサイトで売るための倉庫へ出荷する)
→販売(アパレルショップやウェブサイトで売る)
→購入(消費者がアパレルショップやウェブサイトで洋服を買う)
このように、製品や商品が消費者に届くまでには、部品・原材料の調達から、製造、配送、販売といった一連の流れがあります。最近はグローバル化が進み、海外の国々と関わっているところもあります。いろいろな場所や人によって作られる「もの」だからこそ、サプライチェーン間で協力する必要があるのです。