農薬による被害

 ここでは、日本で発生した農薬による被害ひがいについて紹介しょうかいします。

1.農薬の使用による過去5年の事故じこ被害ひがい

人に対する事故じこ原因げんいん別) けん数(人数))


農作物、家畜かちく(ミツバチはのぞく)、生活環境かんきょう動植物などに対する被害ひがい

 普段ふだんそこまで気にすることはないかもしれませんが、実は日本でも農薬の被害ひがいが起こっているのです。また、農作物だけでなく、魚なども被害ひがいにあっていることがわかります。私たちはたくさんの生き物の命をいただいて生きているので、私たちの健康にも関わってきます。きちんとした対策たいさくをとっていればふせげる被害ひがいもたくさんあるので、注意して農薬をまくことが大切です。

2.農薬散布による小学生に対する被害ひがい

 小学校で、児童が授業を受けている時間帯に、害虫の退治たいじを目的として農薬がまかれ、それによって6名の児童が体調不良となり病院に搬送はんそうされるということがありました。

 教育委員会が業者に作業を依頼いらいしたもので、下のような原因げんいんにより発生したそうです。

  • 児童が授業を受けている日・時間帯に農薬をまいたこと。
  • 小学校の管理者と業者の間、小学校の職員の間で、農薬をまく当日の作業スケジュールや安全確保対策かくほたいさくなどの情報じょうほうが十分に共有されていなかったこと。
  • 教育委員会、小学校の管理者、農薬をまくよう依頼いらいされた業者のいずれも研修けんしゅうに参加しておらず、住宅じゅうたく地などで農薬をまくときに守らなければいけないことを十分理解りかいしていなかったこと。

 農薬は、害虫を退治たいじしたり、農作物を病気から守ったりすることができ、適切てきせつに使えば安全だとされています。しかし、害虫をなくすことが目的だとしても、そうした農薬が飛び散ったり、害のある空気をったりしてしまうと、私たち人間も体調をくずしてしまうことがあります。

 今回の事例は小学校で起きたものですが、住宅じゅうたく地でもこうした被害ひがいが起こっています。ある家が農薬をまいたことによって、近くの家や小学校が被害ひがいにあうこともあるのです。また、まわりの人よりも農薬などの化学物質に敏感びんかんな人もいます。そのため、農薬をまくときには通行人や近くの学校、保護者ほごしゃなどに対して、日時や農薬の種類などを事前に知らせておく必要があります。風向きなどによっても被害ひがいが起こる可能性かのうせいがあるので、農薬をまくときには気を付けなければなりません。そして、本当に農薬をまく必要があるのか、あみをかけるなど他の方法はないのか考えることも重要です。

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